- なぜ、ミャンマーの軍隊がクーデターを起こしたのか?
- アウンサンスーチーと国軍との関係性とは?
本記事では、このような疑問に答えています。
ミャンマーで軍事クーデターが起こったことはご存知でしょうか?
ミャンマーの軍隊がクーデターを起こしたという問題と今後ミャンマーはどうなっていくかはニュースを見るだけではなかなか難しいので、本記事では、ミャンマーでどうしてクーデターが起きてしまったのかという問題を歴史を紐解きながらわかりやすくお伝えしたいと思います。
そもそもミャンマーのクーデターってなんですか?ということからご説明させてもらいます。
ミャンマーでクーデター
日にちは2021年の2月1日の出来事です。ミャンマー軍隊が政権を掌握したと言うちょっと怖いニュースですよね。
日本で例えると、自衛隊が首相官邸や国会議事堂などを武力で押さえつけて「これからは軍が国を動かします」なんて言われたら国民は大パニックですよね。
それが今ミャンマーで起きている現状です。
つまり、軍隊による軍事クーデターで、国の与党や国民の選挙で決まった大統領を武力で機能を停止させて実質的な支配を軍が行うということが2021年2月1日に起こったのです。
そして、その与党の指導者が有名なアウンサンスーチーであると言うことなんです。
アウンサンスーチーは与党の実質的なトップです。ですが、与党のトップではあるのですが、大統領ではありません。その理由は歴史を見ることではっきりわかります。
ミャンマーの軍隊はクーデターにより、与党のトップであるアウンサンスーチーを拘束してしまったのです。
この軍事クーデターで起きたことをまとめると以下の2点です。
- 軍隊がミャンマーの政権を掌握
- 与党指導者(アウンサンスーチー)を拘束
ではなぜこのようなことが起きてしまったのか、その背景からお伝えしましょう。
軍事クーデターの背景
軍事クーデターを起こした理由として憲法改正が深く関わっています。
ミャンマーの憲法は非常に特殊で2008年に憲法が制定されました。この2008年に制定された憲法を不当のものであると考えアウンサンスーチーは改正しようとしていました。
それが大きなキーポイントです。
ではこの改正をしようとしている憲法とはどのようなものなのか。具体的に中身をお伝えします。
ミャンマーの憲法
憲法の中身をざっくりまとめると、
「ミャンマーの軍隊が選挙で負けてしまっても権力を譲らない」というものです。
これは、軍隊が負けたとしても、国を動かす権利はそのまま軍隊が動かすという憲法です。
つまりこの憲法は軍隊を優遇するための憲法であり、軍隊がいつまでも権力を握れるようになるための憲法なのです。
細かいところを説明すると以下の2点です。
- 主要3省は軍が支配すると言うもの
- 緊急事態には全権を軍に移譲する
主要3省を軍が支配
主要3省といえば、
- 国防→国を守る人たち
- 内務→警察・刑務官とか
- 国境→国と国の境
この三つは軍が指導するということです。
つまり、民主化を進める党が政権を取ったとしても、その三つは軍の言うことを聞くということです。
緊急事態には全権を軍に移譲
この緊急事態が何をもって緊急事態というのかがあやふやだといつでも軍隊は動けるということです。
ですから、軍隊の勝手な判断で「これは緊急事態だ」なると、大統領は全権を軍隊に渡さないといけなくなるのです。
そして、今回のクーデターは「緊急事態だ」と言っているのですが、この緊急事態を起こしているのが軍隊ということになっているのです。
つまり、軍隊はいつでも緊急事態を起こせるし、緊急事態を起こしたら全権を移譲するようになるのです。
このように客観的に見たらめちゃくちゃな憲法であることはご理解いただけたでしょうか?
この憲法を改正しようと試みていたのがアウンサンスーチーなのです。
この問題は、憲法改正をめぐる、アウンサンスーチーVS国軍の権力争いなのです。
憲法改正には大きな壁がある
憲法改正には4分3を超える議会の賛成が必要なのです。
4分3の賛成は当然かもしれませんが、この議会は普通の議会ではありません。
4分1は軍人議員枠というのが設けられているのです。
憲法改正で4分3を超えたいのですけど、4分1は完全に軍隊の指定席になっているので、軍隊が裏切りをしない限り4分3を超えることはありません。
つまり、4分3が憲法改正に賛成しても、何人かの軍人が軍隊を裏切って憲法改正に賛成しない限り憲法改正はできないのです。
この無理ゲーとも言える憲法改正を試みているのがアウンサンスーチーなのです。
おわりに
ミャンマーのクーデターについてご理解いただけたでしょうか?
なかなか根深い問題だということがわかったと思います。今後のミャンマーの動きやアウンサンスーチーさんがどうなっていくかは注目したいところです。
ニュースはなんとなく理解するのではなく、なぜそのようなことが起きたのかという疑問を持ち、その出来事の背景や歴史を見ることにより深く理解できます。
断片的な理解ではなく全体的に理解することが大切なのです。
ミャンマーの歴史についてまた解説しようと思います。
あなたの人生に光を!ではまた
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