- なぜチェルノブイリ原子力発電所が爆発したのか?
- 爆発後の対策はどのように行ったのか?
- 現在はどのようになっているのか?
この記事では、このような疑問に答えています。
人生に光を!ヘルメスLIFEへようこそ
1986年に旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所での原子炉事故により大量の放射線物質が環境中に放出され、地域住民をはじめ多くの人々の影響を受けました。
高度汚染地域に居住していた人の計約60万人を対象とすると、事故により増加するがん死亡者は約4000人と推定され、旧ソ連時代の汚染地域の居住者を含めて約740万人を対象とすると合計で約9000人と推定されています。
この悲惨な事故をあなたはどのように考えていますか?
現在でもこの悲惨な事故は終わっていません。今でも多数の被害者が苦しんでいる実態があります。
過去の過ちを知り、今はどのように対処しているかを知ることによってこの先の未来はどうなっていくのかを知ることができます。
今も続く悲惨な事故を1人でも多くの方に知っていただくために、この記事では、チェルノブイリ原子力発電所がどうして爆発したのかをわかりやすくまとめています。
チェルノブイリの爆発の報道の仕方
チェルノブイリ原子力発電所はどうして爆発したのか、それに対して私たちはどのような教訓を汲み取ることができるのかを考えていきたいと思います。
1986年、ロシアはまだソビエト連邦という国でした。
ソビエト連邦という国はいくつもの共和国で成り立っている国です。その共和国の一つである「ウクライナ共和国」の北にチェルノブイリがありました。
まず最初に伝えておきますが、チェルノブイリが爆発して最初に気付いた国が「スウェーデン」だったんです。
スウェーデンにはポルシュマル原子力発電所があるのですが、その原子力発電所にも放射線物質が漏れた時のために、放射線物質を測る測定器があります。
1986年4月28日午前7時に、ポルシュマル原子力発電所の測定器に異常な放射線物質の量を感知するのです。
すぐに緊急警報を鳴らし、この原子力発電所に事故が起きたのではないかと職員が思ってみんなを非難させるのです。
しかし、その原子力発電所の運転はそのまま続けており、なんの異常もありませんでした。
ということは、「この異常な放射線物質はどこか違う場所から運ばれてきたのだ」と思い、当時南寄りの風が吹いていたため南東の方から放射線物質が運ばれてきたのだと感じました。
つまり、ソビエトの中のどこかから運ばれてきたらしいと感じたのです。
その放射線物質を調べたところ、原子炉の中でしか作られないはずの種類の放射線物質だったため、異常な事故がソビエトの中で起こっているというニュースがスウェーデンで報道され世界中を駆け巡ることになります。
「ソビエトの中での原子力発電所が爆発したらしい」とスウェーデンは報道したのですが、ソビエトは一切報道しませんでした。
その日の夜に渋々ですがソ連は報道したのですが、その報道の仕方が「チェルノブイリで小規模な事故があったのですが、今は消防士たちがその処理を行っていますのでご安心ください」とのニュースで終わってしまったのです。
実は、5月1日はソビエト連邦にとって「労働者の日」というお祭りの日でそのニュースばっかりが報道されていまして、チェルノブイリの爆発の報道は、そんなに目立つ感じではなかったのです。
これが、チェルノブイリ原子力発電所の報道の始まりでした。
チェルノブイリ原子力発電所の事故の原因
チェルノブイリ原子力発電所には1号炉から4号炉まであるのですが、4号炉で爆発が起きたのです。
ソビエトの原子力発電所の仕組みは、日本の原子力発電所とは少し違います。
旧ソ連は黒鉛型の原子力発電所です。
どんなものなのかというと、直径70メートルの円筒があり、その円筒にはチャンネルと言って小さな穴がたくさんああります。
その穴から燃料棒を入れて核分裂を起こしているのですが、言ってみればその一つ一つの穴が原子炉の働きをしています。
そもそもチェルノブイリ原子力発電所は核兵器を作る材料を得るために作られたといえます。
それは、原子炉の中でプルトニウムができるのですが、そのプルトニウムが核兵器を作る貴重な材料になるのです。そのプルトニウムを取り出しやすい設計になっているのがチェルノブイリ原子力発電所なんです。
事故が起きた4月28日には定期点検のために運転を止めるとなっていました。
チェルノブイリの担当者は次のように考えます。
「チェルノブイリの定期点検に合わせて実験をしよう。その実験は、万が一地震とかで停電が発生した場合、町中の電気が消えるのはもちろんですが、原子力発電所が止まってしまって、冷却ポンプが機能しなくなる。そうなると、溜まっていた水が蒸発して燃料棒が剥き出しになり、さらに熱を持って持ってしまい事故につながるので、少しでもタービンが回っていられるようにしよう」
という実験でした。
つまり、事故が起きる前に事故対策をしようというものですが、この実験が事故への原因になってしまいます。
そのためには、緊急炉心冷却装置という事故にならないためのブレーキがあるのですが、それを外して実験を行おうとしたのです。
緊急冷却装置をわかりやすく伝えるなら、
原子炉に事故が発生したときにすぐに運転をやめさせるため大量の水を注ぎ込み、原子炉を冷やして停止させる安全装置
です。
この事故にならないためのブレーキを外して実験するので言い方を変えるのなら、車を乗るときにブレーキを外して運転するようなものです。
考えてみると、とんでもない実験なのですが安全に進むための手順を無視してその場の現場レベルで「ちょっとこうやってみようよ」という感じでやってしまったから大きな事故になったのです。
そんなレベルで実験をやっていましたら捜査員のミスで出力が低下してしまったのです。
出力が急に低下してしまうってことは緊急用の発電ができなくなってしまうので、出力をあげないといけないと思い、制御棒を無理矢理引き抜いてしまうのです。
制御棒とは、核分裂を制御するための棒です。その棒を無理矢理引っこ抜くわけですから核分裂はさらに加速しますよね。
そうすると、燃料棒に高熱を発することになります。さらに出力が低下していますから、燃料棒を冷やすポンプの力も弱くなっています。
その結果、燃料棒を冷やすための水が全て蒸発してしまい、冷却水は流れてきません。次々と核分裂が進んでしまっている状態となります。
「これはやばい」と感じた職員は、今度は慌てて制御棒を下ろそうとしてしまいます。
しかし、もう原子炉の中は高熱で色々溶けたりしてましたので、制御棒をおろしたら途中で引っかかってしまいまして、最後まで下ろせなかったのです。
ここで制御棒には重大なミスがあったのです。
制御棒の先っぽには核分裂を制御するのではなく、むしろ促進させる材料が使われていたのです。途中で引っかかったものですから、高熱を発した制御棒がさらに核分裂を加速させる状態となり、いわば止められない暴走が始まります。
溜まっていた水が一気に蒸発して「水蒸気爆発」というものが起きます。
水蒸気爆発というのは、水が高熱に触れた瞬間に一気に水蒸気に変わり膨張する状態となり水蒸気爆発となります。
この水蒸気爆発がとてつもない威力なんです。火山の噴火も、マグマと地下水が触れた時に「水蒸気爆発」が起こり火山の噴火が発生します。水蒸気爆発はそれだけ威力が強いのです。
この爆発により放射線物質は上空2000メートルまで打ち上げられます。その1500メートルくらいで南寄りの風が吹いていたため放射線物質がスウェーデンまで流されて異常な放射線物質をキャッチしたのです。
スウェーデンでは北寄りの風が吹いていました。その放射線物質は、東ドイツ、西ドイツ、イタリア、フランスなどに流れ着きヨーロッパ中を毒していくことになるのです。
フランスやイタリアでは農地や家畜の汚染が進み、小麦なども汚染されてしまいます。
それを知らず食べ続けた人が癌になったりもしたのです。
これがチェルノブイリで起きた爆発事故の全貌です。
チェルノブイリの現在
チェルノブイリ原子力発電所の放射線物質を止めようがありませんから、とりあえずコンクリートで覆ってしまいました。
コンクリートで覆ったためこれを「石棺」と呼んでいます。
原子力発電所の爆発後は、多くの作業員が石棺作りに駆り出されるという大変危険なことをされたのですが、そのコンクリートで覆ったため大量の放射線物質を外に漏れることは無くなったのですが、今でもチェルノブイリは放射線物資地を放っています。しかし、時間が経つにつれてその石棺もボロボロになっています。そのため、その上からさらに分厚いコンクリートで覆うという対策がとられています。
おわりに
チェルノブイリ原子力発電所の爆発を聞くと、日本でも2011年にフクシマの厳罰事故を思い出してしまいますよね。
チェルノブイリでは「水蒸気爆発」でしたがフクシマの爆発は「水素爆発」です。
爆発の威力は「水蒸気爆発」の方が異常なのですが、フクシマの爆発をチェルノブイリの爆発と合わせて考えてしまったヨーロッパの人が日本から去っていったという事例もあります。
私たちは常に現代史の上を歩いているのであり、過去に起きた教訓から現代を見つめ反省の意図を持って未来に歩かないといけません。
今でも、その不参な事故の対策が行われているのであり、私達の生活には関係ないかもしれませんが「現代では何が起きているのか」を知ることは非常に重要なことであると思います。
現代史を見つめ、共にこれからの平和を気付いていきましょ!
さらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/チェルノブイリ原子力発電所事故
あなたの人生に光を!ではまた
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