- 政治家って本当に必要なのか?
- 世界がアルゴリズム(AI)に統治されることはあるのだろうか?
- 今政治家と国民が取るべき最善の選択とは?
✔️成田悠輔さんとは?
- 出身高校:麻布中学校・高等学校
- 出身大学:東京大学経済学部
- 大学院:東京大学大学院経済学研究科修士課程修了
- 2016年にマサチューセッツ工科大学(MIT)にてPh.D.取得
- 現在は、イェール大学助教授、半熟仮想株式会社取締役
日本といえば、
- バブル崩壊による経済停滞
- 少子高齢化による人口減少
など絶望感に塗れた未来が続きそうですよね
この『22世紀の民主主義』は
この絶望感に塗れた日本の未来を変えるべく成田悠輔さんが提案した本です。
私は率直に、「今の日本に一番必要な本ではないか」と感じました。
この本のポイントとなるのは、政治家はもういなくなった方が良いというちょっと過激なことを言う本なのですが、
読み進めていくと政治家がいなくなった方が良い世界になってくるのではないのかな?私も思ってしまいました。
本記事では、『22世紀の民主主義』の内容をわかりやすくまとめています。
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- 通勤中や家事をしながら読書ができる
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政治家不要論とは?
「政治家はいらない」
この強烈な1言が『22世紀の民主主義』で強調されている事です
では、なぜ政治家は不要だと成田さんは言っているのでしょうか?
まず、強調されているのは、
今の選挙のやり方が雑
と言うことです。
AIなどのテクノロジーが発展してきているのに、まだ紙で投票するのって時代遅れすぎだとは思いませんか?
つまり、今の選挙のやり方は、かなり古くなってきており現代のやり方には合っていない
という事です。
そこで提案されているのは、
アルゴリズム(AI)が政治を決める
と言うことです。
アルゴリズムが政治の役割をするとは?
アルゴリズムが決めるってイメージがつきにくいと思いますが、
もうすでにあなたの身の回りはほとんどアルゴリズムが決めている世界になっています。
例えば、Amazonで商品を購入する時に、以前に購入した商品と似たような商品をAmazonがオススメしてくることはありませんか?
YouTubeの動画も以前見た同じジャンルがYouTubeでもオススメされることはあると思います。
これは、全てアルゴリズムがあなたを分析してオススメ動画として提供されているのです。
昔は、八百屋さんが今日のオススメを教えてくれたり、アパレルさんがオススメしてくれる服であったりと。
かつては、みんな人がやっていたことを段々と機械がするようになっているのが現代です。
最初はインターネットでクレジットカードを入力する時も、Amazonで商品を購入するときも抵抗があったと思います。
ですが、気づいたらレジから人はいなくなっていましたよね。(ユニクロやAmazon GO)
車の運転席に人がいなくなっていますよね(自動運転)
働きても人からアルゴリズムに置き変わっているのです。
ここで、政治にもイノベーションを、人からアルゴリズムに置き換わる方が良いのではないかと言うことです。
では次に、なぜ、政治家がアルゴリズムになる必要があるのでしょうか?
政治家がアルゴリズムになった方が良い理由
日本の衰退
日本が衰退していっている理由は色々とありますが、
最も取り上げられているのは、バブル崩壊による失われた20年と呼ばれるものです。
2000年〜2020年は、日本において成長が見られないどころか経済が停滞していっているのです。
考えてみれば、私生活の身の回りにあるものは、ほとんどが外国の企業だと思います。
かつての日本を経済を盛り上げてくれたトヨタやソニーは、もう世界と比べたら段々と目立たなくなってきましたよね。
給料は上がらないですけど、物価は上がってきていますし、生活もだんだんと厳しくなってきている世の中で、増税ばかりが検討されていますね。
つまり、日本は段々と貧しくなってきているからであります。
ですが、『22世紀の民主主義』で言われているのは、
失われた20年は日本だけに起こった悲劇だったのか?
と言うことです。
民主主義国家の停滞
民主主国家でない国と言えば、
- 独裁国家
- 専制主義国
と言えるものですよね。
それは、1党独裁と言われていたり、王家が国を守ってる形である国ですよね。
そんな独裁国家ほど経済が成長していたというデータがあるのです。
つまり、
- 資本主義&民主主義=停滞している国(日本、アメリカ、イギリス)
- 資本主義&独裁国家=成長している国(中国)
です。
これが、民主主義国家の事実です。
では、民主主義国家である国は、何がマイナス的な要素を生んでいるのでしょうか?
✔️主に挙げられているのは、以下の3つです。
- 貿易が鈍化
- 長期投資があまりなされていない
- コロナ禍もうまく対応できていない
日本はこの20年で経済が停滞したのですが、日本だけでなく民主主義の国がこの20年で停滞し、独裁国家である中国などが急成長したことはご理解いただけたと思います。
【『22世紀の民主主義』を読みたいけど、時間がない方にオススメ】
資本主義&民主主義と特徴とは?
資本主義や民主主義ってどんな役割を果たしているかわかりますか?
資本主義の特徴
資本主義とは、生産のための組織が資本によって作られている経済体制ですよね。
ですが、資本主義国家は経済の成長を生む代わりに貧富の格差を生みますよね。
それは、能力の高い資本家たちが経済を活性化させて、他の人たちは労働者として資本家に雇われて働く世界が資本主義ですから経済は回りやすいですけど、貧富の差が開くのは当然ってことです。
民主主義の特徴
民主主義は、みんなの意見を多数決で決めると言うのが主な特徴ですよね。
民主主義は国民の意見を聞き入れようという体制が整っていたり、言論の自由が許されている自由の国ですね。
中国みたいな独裁国家ではなく、国民を中心に国を作ろうっていうのが民主主義です。
資本主義と民主主義の矛盾とは?
アメリカや日本では、
→経済は資本主義
→政治は民主主義
ですが、この2つの体制をとっている国って矛盾していることにお気付きでしょうか?
資本主義は、一部の才能ある資本家たちが国を引っ張っていくのが特徴だったのに対して、
民主主義では、多数決を取るということは一部の才能ある資本家たちの意見でなく、大多数のお金を持っていない人たちの意見を採用する仕組みになってしまっているのです。
わかりやすく言うと、
国を引っ張る才能のある人たちよりも、国を引っ張っていない労働者の意見を多く取り入れる仕組みが民主主義ということです。
→資本主義・・・一部の優秀な人が成功する
→民主主義・・・大多数の凡人の意見が採用される
この2つの体制は大きく矛盾することに気付きましたか?
資本主義で強さを示し、
民主主義で優しさを示すことでバランスをとってきたのです。
つまり、資本家ばかりがお金を持たないように、資本家以外の人たちの意見を取り入れて、資本家のお金を分配することで貧富の差を和らげようという、資本主義と民主主義の両輪でここまできたということです。
ですが、資本主義×専制政治がこの20年で目を見張るほど急成長しましたね。
これは、専制政治が優れていたと考えてはいけません。
この専制政治も資本主義と同じ強さの体制ですが、裏には恐怖で国民を支配しているという言い方もできるわけです。
それが、ロシアとウクライナの戦争でもあるわけです。
プーチンの暴走による侵攻で、誰もプーチンを止めることができなくなってしまったというのが現状ですね。
では、なぜこの20年間は資本主義&専制政治が伸びて、
資本主義&民主主義が伸びなかったのでしょうか?
その答えは、この20年間の民主主義は重傷を患っていたのです。
民主主義の病とは?
民主主義は2000年代から大きな重症を患ってしまいました。
その2000年代から普及し始めたSNSが民主主義に大きな痛手を負わせたと『22世紀の民主主義』では主張しているのです。
つまり、みんなの声を聞き入れやすくするSNSですけど、インフルエンサーや話の上手い人によって扇動されたり分断されてしまったのが現状なんです。
かつて、ドイツで起きたことを思い出してください。
あのワイマール憲法でガッチリとした民主主義国家を作ったのに、一人の演説の天才であるアドルフ・ヒトラーの話の上手さに民衆は扇動されてしまって恐怖の独裁国家となってしまったのですよね。
演説のうまい政治家が上に立って民衆を扇動し、間違った方向に進む可能性もあるわけです。
これをポピュリズム政治といいます。
かつてのドイツは、アドルフ・ヒトラーにより国民を演説で先導し間違った方向性に進ませてしまいました。
これが、民主主義の主な欠点なのはご理解いただけると思います。
話を戻して、SNSはそのようなインフルエンサーや話の上手い人が影響力を持ちやすいツールなのは事実です。
Twitterや2チャンネルやYouTubeを見てみたらわかるように、悪口などが多く書かれていたりますよね。
その悪口が妙に拡散されている時もありますよね。
悪口を言うユーチューバーがものすごい登録者数がいることもよくありますね。
つまり、SNSはみんなの意見を吸収しやすいと思いがちだけど、
実は、過激でヘイトスピーチをさらに盛り上げるツールになっていたと言うことです。
✔️SNSを使ったポピュリズム政治の例
✔️ドナルド・トランプが「メキシコの移民がアメリカの労働を奪っているから」と言い放ち、それを魔に受けてしまいメキシコに壁を作った。
✔️イギリスのブレグジット、「移民がイギリスの労働を奪っているのだ。俺たちは イギリスのためのやり方をやる。」と言ってEUを離脱した
こんな事例も世界には数多くありますが、日本でも実は存在します。
SNSで韓国の悪口や中国の悪口を過激に言い、日本人内で外国人差別が起こったりもします。
これは、かつてのドイツのポピュリズム政治と同じ現象なのではないかと『22世紀の民主主義』では主張されています。
では、次はなぜこのSNSの拡散が経済の停滞につながったのでしょうか?
SNSが経済の停滞につながった理由とは?
結論から話すと、
SNSが悪口や誹謗中傷で分断を産みました。その分断が貧しさを生んだのです。
要するに、世界は貿易でつながっているからです。
貿易や長期投資のお金が全く流れなくなったのは、外国との貿易をハックしたからです。
それは、SNSで拡散した人種差別であったり、考え方の違いであったりと人はSNSで分断が加速したのです。
- 「あの国との貿易はしない」
- 「あの国との取引はしない」
つまりSNSは政治的なツールとして利用され、貿易の範囲を狭めていってしまったのです。
民主主義×SNSで分断とヘイトを加速させた。それが間違った方向へと進み、資本ん主義だけが暴走して、民主主義が機能不全になっていた。
これが、この20年で起きた民主主義の病である
民主主義を救うたった1つの方法とは?
ここで最初の話に戻ってきました。
『22世紀の民主主義』では、民主主義を救う方法を何個も事例を出して説明されていますが、
日本において救う方法は、たった1つしかないと言われています。
それが、
選挙に頼らない民主主義(新構想)
つまり、アルゴリズムに日本を任せるということです
ということです。
今の選挙がいかに雑であるかを立ち返ってから考えた方がよりわかりやすいです。
✔️あなたは、政治で変えたいことは1つですか?
おそらくいくつもあると思います。
例えば、
- 経済
- 国防
- 憲法改正
- 核保有
- 失業率
- 教育や子育て
- 税金
- LGBT
挙げだすとキリが無いですが、いろんな項目に焦点を当てながら政党を考えないといけないですよね。
さて、あなたが思う1個の政党で全てドンピシャってところってありますか?
人によっては、子育てに着目している人もいれば、税金や物価高に着目している人もいますよね。
どれなのに1つの政党を選ぶって少しおかしいですよね。
それを、曖昧なまま「これかな?」っていう感じで党を選ぶって少し雑だと思いませんか?
『22世紀の民主主義』では、
このやり方は数百年前と全く変わらない
と言われています。
今、私たちの世界は、Amazonで1クリックすれば翌日商品が届いたり、SNSでお隣さんの前の日何食べたかを知ることができるのに、
選挙だけがすごく古いやり方でやっているのです。
AmazonやGoogleは利用者のデータを集積していますね。
政治も、
- 国民は何をして欲しいのか?
- 何に不安を持っているのか?
というデータを自動的に集めれば良いのです。
政治も同じように、国民の不満をデータで集積する仕組みを整えるだけで良いのだよ
もし、データが集積できるようになると、政治家がいらなくなるんです。
これが、『22世紀の民主主義』で一番大切なポイントです。
未来の政治家はどうなるのか?
アルゴリズムが国民のデータを吸い上げて、それをレコメンドしていく世界になれば、もはや政治家の仕事がなくなるということです。
もし、これからアルゴリズム(機械)が政治家の仕事をやってくれるのなら、政治家はどうなるのでしょうか?
『22世紀の民主主義』では、マスコットキャラクターになると言っています。
例えば、
奈良ならセント君とか、岡山なら桃太郎とか、政治家が土地のマスコットキャラになり、それはアルゴリズムということです。
つまり、人ではない擬人化されたアルゴリズムがマスコットキャラとして各土地をおさめるということになるのです。
今、ビジネスの世界では、ほとんどがアルゴリズムが決めていますよね。
YouTubeでもアルゴリズムがあなたのデータを集積して、おすすめの動画をあなたに見せようとするし、
Amazonだって同じことです。
政治も全く同じようになると考えた方が早いですね。
アルゴリズムがおさめる世界は、実現するのか?
既得権益や中間層の人たちが抵抗して、そんな世界にならないと思うのは当然の反応だと思います。
ですが、考えてみてください。
YouTubeはテレビ局は嫌がったはずですよ。
アイフォンも国産のメーカは嫌がったはずですよ。
だけど、結局普及しましたよね。
結論は、
テクノロジーは止まらないから必ず実現する
ということです。
どれだけ、既得権益に守られている場所でも、テクノロジーの急速の進化と国民が便利だと思えば一気に普及します。
いずれ、タクシーの運転手も自動運転に変わり、事務作業もAIがするようになり、コンビニの店員も必ずいらなくなってきます。
つまり、予想もしない形で何年後かに、『22世紀の民主主義』で言っていたことだってなるはずです。
1つのありえる話ですけど、
お金のない自治体がアルゴリズムに任せるようにして、その土地が妙に栄えたりすると、アルゴリズムが国をおさめた方が良いと考えるようになり、普及し始める可能性もありますね。
アルゴリズムに変わった土地が、国民の不満を一気に解消して、税収も国民が納得する形に収まり、栄えて、人がどんどんと集まるようになればどうでしょうか?
世界はあっという間に変わるはずです。
人は、自分を助けてくれる、利益をくれるというところに集まるということですね。
おわりに
本記事を最後までご覧いただきましてありがとうございます。
『22世紀の民主主義』を読み終えてどうでしたでしょうか?
私は「なかなかぶっ飛んだ話だなぁ」と最初は思っていましたが、
読み終えた時に「確実に実現するのではないか」とと考えました。
政治家の役割や様々なビジネスもアルゴリズムに変わり、新たな世界になると私はこの本を読んで信じてしまいました。
というか、今のままでは、少子高齢化の問題や経済の問題などが解決しないように思うのです。
テクノロジーの進化に乗っかって、これから新たな世界が来ることを私はこの本を読んでとても期待しました。
成田悠輔も言っています。
これは単純な未来予測
だと。
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